実はいろいろある!?振袖の帯の結び方
振袖選びと合わせて大切にしたいのが、振袖に合わせる帯です。素敵な帯を選んだら、結び方にもこだわりましょう。振袖の帯の結び方にはさまざまな種類があり、結び方ひとつで振袖全体の印象が変わります。この記事では、振袖を着るときの帯の結び方や、帯結びの選び方をご紹介します。
帯の柄によって合う結び方と合わない結び方がある?
振袖には、袋帯というフォーマルな帯を合わせることが一般的です。
帯の柄はさまざま
振袖に合わせる帯の柄としては、お太鼓柄、全通柄、六通柄などがあります。たとえばお太鼓柄は、お太鼓結びに適した柄の配置で、美しく結べれば柄もきれいに出ますが、体形や結び方に左右されやすい帯です。
一方で、全通し柄は帯全体に柄があしらわれており、柄の向きに気を付ける必要がありますが、どのような結び方にも合わせやすい帯です。それぞれの帯の特徴に合わせた結び方をするとよいでしょう。
柄が固まらないようにする
大きな柄が描かれている帯の場合、帯として見ると柄が美しく配置されていても、結び方によっては柄が一か所に固まってしまい、バランスが悪くなってしまうということもあります。
また、帯結びというと後ろ姿をイメージしますが、体の正面に来る柄の配置も目に入りやすい部分です。希望する帯結びがある場合は、それに合わせた帯選びをするか、身に着けたい帯が決まっている場合は結び方を工夫して、一番振袖姿が美しく見えるように結びましょう。
着物の格式に合わせた帯結びを
和装には、着物から小物ひとつひとつにまで格式が存在します。成人式で着られる振袖は、未婚女性の第一礼装といわれ、格式の高い着物のうちのひとつです。そのため、カジュアルな結び方やシンプルすぎる結び方は、振袖には合いません。着物全体の格式を合わせることは礼儀のひとつであるので、振袖を着るときには豪華な装いになるように帯結びをしましょう。
帯にはどんな結び方があるのか
ここでは、振袖に合わせる代表的な帯の結び方をご紹介します。それぞれ印象が大きく異なるので、帯の種類やなりたい振袖姿のイメージに合わせて選びましょう。
お太鼓結び
帯結びの中でも基本となる結び方がお太鼓結びです。背中に来る帯が太鼓橋の形に見えることから、この名前がつきました。ふっくらとした丸みがあり、帯揚げや帯締めを使って体にフィットさせる結び方なので、長時間結んでいても形が崩れる心配が少ない結び方です。振袖に合わせるときには、通常のお太鼓結びをアレンジして、豪華に見えるふくら雀という結び方が用いられます。
文庫結び
浴衣を着るときに結ぶことの多い文庫結びですが、アレンジして振袖に合わせてもかわいらしい雰囲気に仕上がります。文庫とは、本や手紙などを入れる箱のことを指すため、四角く見えるように結ぶのが特徴です。左右に垂らした結び目からも帯の柄が見えて、どのような振袖にも似合います。
立て矢結び
大きな蝶結びを斜めにし、羽の部分を矢に見立てる立て矢結びは、立体的で華やかな印象に仕上がります。垂れの部分がないので、後ろ姿もすっきり見せられます。
バラ結び
帯をひだになるようにたたみながら、バラの形になるように結ぶバラ結びは、細かい柄の入った帯や柔らかい素材の帯におすすめの結び方です。花柄の振袖と合わせれば、より華やかな振袖姿になるでしょう。
帯はアレンジがしやすい!自分にぴったりの結び方を選ぼう
いろいろな種類の結び方の中から、自分にぴったりの結び方を選ぶことで、振袖をより美しく着こなせます。
帯結びのアレンジを楽しもう
振袖を着るのは成人式だけではありません。卒業式や親戚の結婚式など、成人式以降も振袖を楽しみたい人もいるのではないでしょうか。同じ帯であっても、結び方ひとつでコーディネートを何種類も楽しめます。振袖と帯を何度もレンタルするのは金銭的に負担が大きい人や、自分らしいアレンジを楽しみたい人は、帯の結び方を変えてヘアメイクを工夫するだけでも異なる印象になるでしょう。
体形に合わせた結び方も
文庫結びでも、左右の垂れの長さを変えてアシンメトリーにすることで気になる下半身をカバーできます。また、立て矢結びの羽の枚数をアレンジして縦長効果を出すことで身長をすらっと高く見せることも可能です。体形や見せたいスタイルに合わせて、いろいろな変わり結びを楽しんでみてはいかがでしょうか。
帯揚げのアレンジと合わせる
お気に入りの帯結びが見つかったら、ぜひ帯周りの和装小物にもこだわりましょう。帯揚げや帯締め、帯留めといった和装小物がありますが、その中でもとくに帯の上にかける帯揚げは、帯と同じように結び方をアレンジすることで個性的な着こなしを楽しめます。
振袖を着るときには、総絞りというボリュームのある帯揚げを使用することが一般的です。総絞りの帯揚げはそれ自体に華やかさがありますが、花飾りや蝶飾りといった結び方にアレンジすることで、帯結びをさらに豪華に見せてくれるでしょう。
まとめ
振袖の帯の結び方には、定番のものから現代的にアレンジしたものまで、いろいろな種類があります。振袖を着なれていない人は、柄の出方に左右されない結び方や、長時間着ていても崩れにくい結び方から気軽に挑戦してみましょう。また、帯結びは、着物のコーディネートの一部です。着物や小物も合わせた全体のバランスを見ながら、自分の体形に合った結び方をするとよいでしょう。素敵な帯結びで、振袖姿をより一層楽しんでくださいね。